パーソナルカードの利便性向上

 ETCパーソナルカードの利便性向上も図る。同カードは、クレジットカードを契約しない利用者が、あらかじめ一定のデポジットを預託することにより、高速道路会社6社が共同で発行している。あらかじめ支払ったデポジットの8割分の走行が可能で、通行料金は金融機関の口座から1カ月単位で引き落とされる。

 ETC普及のため、現在、2万円としているデポジットの下限額を3000円に引き下げるとともに、デポジットの100%を利用可能にする方向で見直す。

 誤進入など非ETC車の対策、非ETC車の料金徴収コスト差を踏まえた非ETC車の利用者負担、管理コストの状況を踏まえた利用者への還元策も検討する。将来的には、本線料金所の撤去も検討する。

 都市部では5年後、地方部で10年後の実現を目指し、高速道路のETC専用化に向けたロードマップを策定した。都市部では20~21年度にカメラの設置や関係機関との協議といった準備を行い、21年度中に導入を始める。25年度までに既存料金所のうちETC専用で運用していない料金所(非ETC専用料金所)の7~9割に導入する計画で、30年度頃には全線をETC専用化する。

 首都圏では21年度中に導入を始める。首都高速道路は23年度までに30カ所に導入し、25年度までに非ETC専用料金所(20年12月1日時点で181カ所)の9割に当たる160カ所に拡大する。

 NEXCO東日本は、21年度中に圏央道とその内側の数カ所に導入し、25年度までには非ETC専用料金所(同125カ所)の7~8割に当たる90カ所程度に広げる。第三京浜道路、横浜新道、横浜横須賀道路、京葉道路、東関東道については、料金所の構造、交通量の多さ、並行または接続する一般道の渋滞など課題があるため引き続き検討する。

 NEXCO中日本も21年度中に圏央道とその内側の数カ所から導入から始める。25年度までに非ETC専用運用料金所(同22カ所)の8割に当たる20カ所程度に導入する計画だ。

 中京圏では、NEXCO中日本が東海環状とその内側で、22年度中に導入を始める。25年度までに非ETC専用運用料金所(同71カ所)の8割に当たる60カ所程度に導入する。

 近畿圏では、阪神高速道路が21~22年度にかけて5カ所程度に導入し、25年度までに非ETC専用運用料金所(同144カ所)の8割に当たる110カ所程度に広げる。NEXCO西日本は、23年度中に京阪神地区と京奈和道の内側で数カ所から開始し、25年度までに非ETC専用運用料金所の7~8割に当たる70カ所程度に導入する。

 地方部は22年度までを準備期間とし、同年度中に導入を始める。NEXCO3社と本州四国連絡高速道路が数カ所に導入し、運用状況や各地域の特性などを考慮しながら順次拡大する。地方部の非ETC専用運用料金所は883カ所ある。都市部同様、30年度頃には全線をETC専用にする。