首都高速の料金体系を見直し、公平な料金体系と円滑な輸送などの実現につなげる

 国土交通省は、首都高速道路に深夜割引を導入するなど「首都圏の新たな高速道路料金に関する具体方針骨子案」を固めた。首都高速の上限料金も見直し、高速道路の大都市近郊区間の水準で完全に揃える。公平な料金体系を実現するとともに、通行量の少ない深夜帯の利用を促すことで日中の渋滞を減らす。さらに、首都高速の大口・多頻度割引制度の割引率も引き上げ、物流量の増加に直面している貨物事業者などの円滑な移動を支えていく。一連の措置は2022年4月をめどに導入する計画で、早期に割引率などの詳細を固め、今春に具体方針案を示す。

 首都高速で導入を目指す深夜割引は、大幅に通行量が減る午前0時~午前4時に自動料金収受システム(ETC)を利用して走行した車両を対象とする方向で検討を進めている。日中から夜間への利用にシフトさせ、渋滞による経済損失を抑制していく狙い。また、首都高速には利用が多い車両を対象にした「多頻度割引」と事業者向けの「大口割引」がある。現行ではこの2つを組み合わせると最大約35%の割引率となるが、この水準を引き上げていく。貨物・旅客用自動車が、より首都高を利用しやすくなることで、新型コロナウイルス禍でも国民生活を支える輸送網の維持につなげる。

 首都圏における公平な料金制度の構築も前進させる。すでに首都高速では16年4月、大幅に料金制度を改定。1㌔㍍当たりの利用単価は高速道路の大都市近郊区間の水準である29・52円としている。しかし、非ETC車の負担増なども考慮し、当面の措置として上限料金を設けたことで、長距離になるほど割安になる構造となっていた。今回はこれを見直し、さらにシンプルな料金体系を目指す。

 一方、首都高速では16年4月のタイミングで車種区分も2車種から、一般的な5車種に変更していた。従来料金より、割高になる中型車と特大車に関しては、全国水準よりも増加幅を低く抑える激変緩和措置を取り入れていた。この措置は3月末で終了予定だったが、足元のコロナ禍による影響を踏まえ、22年3月末まで延長する。

 骨子案は3日に開いた社会資本整備審議会の道路分科会国土幹線道路部会で議論した。次回の部会で数値を含めた詳細を検討し、方針案を取りまとめる。高速道路会社もこれに基づいた具体案を策定し、自治体に示して了解を得られれば、国が事業許可を出す構えだ。