【プロ経営者の就任】
指名委員会の豊田委員長は、日産社外にも候補者がいると指摘したが、アライアンスの外から、いわゆる「プロ経営者」のような人材を日産のトップに据えるのは難しいとの見方が強い。
日産は主力市場である米国の販売が低迷していることなどから2019年4-6月期連結業績で、営業利益が前年同期比99%減の16億円と、業績が急激に悪化している。しかも、業績不振を受けて、グローバルで全従業員の1割に当たる1万2500人以上を削減、生産能力も大幅に削減するなど、リストラを加速している。こうした状況下、短期間に業績回復をリードできる経営者を探すのは難しい。社外からトップを招いた場合、従業員のモチベーションが下がるリスクも高い。
また、自動車業界は電動化や自動運転などによって大きな変革期を迎えている。グーグルなどの異業種も参入、競争環境が激変する中、強いリーダーシップで一連の問題で傷付いた日産をけん引するのは容易ではなく、社外の人材ではなおさら難しいと見られる。

さらに、ゴーン元会長の不正事件は、ルノーとの経営統合を進めようとしたゴーン元会長を追放するための西川氏らによるクーデターとの見る向きもあり、社外からのプロ経営者でも「伏魔殿のような日産」の経営に携わることには二の足を踏むとの見方もある。