カルソニックカンセイは9月13日、栃木工場、佐野工場1地区、宇都宮工場、山形工場を閉鎖すると発表した。主要納入先の日産自動車が米国での販売低迷などで国内生産を減産しており、工場の操業を停止してコスト削減を図る。工場の従業員はグループ各社に再配置し、原則「会社として可能な限りのサポートを提供する」としている。

子会社のカルソニックカンセイ栃木の栃木工場と佐野工場1地区は2020年末、子会社のカルソニックカンセイ宇都宮が2020年9月末、子会社カルソニックカンセイ山形が2020年10月末にそれぞれ操業を停止する。

栃木工場はコックピットモジュール部品、内装製品、佐野工場1地区が熱交換製品、空調製品、宇都宮工場と山形工場がともにコンプレッサー製品をそれぞれ製造している。これら工場での生産品目は、カルソニックカンセイが属するマニエッティ・マレリ CK ホールディングスグループの工場への生産移転や外注で対応する。

同社では今回の生産拠点再編は、マレリグループとして「競争力を強化するとともに、高品質なモノづくりを維持しつつ顧客への安定供給の責任を全うするための取り組み」としている。

カルソニックカンセイの主要納入先の日産は、2019年4-6月期業績で営業利益が前年同期比99%減と大幅減益となるなど、経営が悪化しているため、国内外の工場14工場で生産能力60万台と、従業員1万2500人を削減する計画を打ち出している。カルソニックカンセイは日産の工場内に生産ラインを持ち、コックピットモジュールなどの部品を直接供給するなど、日産との関係が深い。日産の事業縮小がサプライヤーにも波及してきた。