KDDIは2月5日、松田浩路取締役執行役員常務CDO(チーフ・デジタル・オフィサー、53)が4月1日付けで社長CEO(最高経営責任者)に昇格するトップ人事を発表した。高橋誠社長CEO(63)は代表権を持つ会長となる。田中孝司会長(67)は相談役となり、6月開催の定時株主総会で退任する。

8年ぶりのトップ交代で若返りを図る。高橋社長は「5G(第5世代移動通信規格)の次の(トレンドとなる)AI(人工知能)時代をけん引するのは、技術の経験が豊富で、グローバルの視点でビジネスができる人材と考えていた」という。技術畑で、アップルやグーグル、クアルコム、スペースXなど、海外のテック企業大手との連携事業を担当してきた松田氏を後継者に選んだ。

同日の社長交代を発表する記者会見で松田氏は「5GでAI(人工知能)をフル活用する時代に、先端AIの原動力となるつなぐ力を新しい時代にアップグレードしていくことが責務」と述べ、AI活用の本格化に対応し、通信ネットワークの品質向上に注力していく方針を示した。

KDDIは社長交代に合わせて、2024年度が最終年度となっている現在の中期経営計画を1年延期。新しい経営陣が26年度からの中期経営計画を策定する。

 

松田浩路(まつだ・ひろみち)氏。1996年京都大学院・工学研究科卒後、国際電信電話(現・KDDI)に入社、2013年に商品技術部長、20年に執行役員・パーソナル企画統括本部・副統括本部長、23年に取締役執行役員パーソナル事業本部・副事業本部長兼事業創造部長を経て、24年に取締役執行役員常務CDO・先端技術統括本部長兼先端技術企画本部長。山口県出身。1971年11月30日生まれ、53歳。