トヨタ自動車は28日、保有するKDDIの株式の一部を売却すると発表した。KDDI株のトヨタ保有割合は現在の14.68%から11.71%に下がる。売却予定額は2499億円。トヨタは「モビリティカンパニー」の実現に向けた投資の原資として政策保有株式の圧縮を進めており、今回のKDDI株売却によって得た資金も成長投資に充てる。

 トヨタはKDDIの大株主で「コネクテッドカー」の開発などで協業してきた。2016年にはグローバル通信プラットフォームを構築し、現在の導入車数は2千万台を超える。

 KDDIは31日から株式公開買い付けを実施する。トヨタの保有株式数は減るが、売却後も10%以上の出資比率を維持する。大株主としての位置づけは変わらず「協調関係を維持する」(トヨタ担当者)方針だ。20年10月に公表した資本業務提携の強化に基づく次世代グローバル通信プラットフォームの構築も続ける。