日産自動車は6月17日、電気自動車(EV)の新型「リーフ」を発表した。8年ぶりのフルモデルチェンジで、これまでの5ドアハッチバックからクロスオーバーSUVへと車型を一新した。2種類の電池を用意し、航続可能距離は最大600km以上(国内WLTC基準)を実現。電池残量10%から80%まで最短35分の高速充電にも対応した。2025年秋に米国で販売開始し、国内でも年内の発売を予定する。
10年に初代を発売したリーフは、三菱自動車「アイミーブ」に次ぐ量産EVとして注目を集めた。17年には2代目を発売し、これまでの世界累計販売は70万台を超える。
新型リーフは、EV「アリア」と同じ「CMF-EV」プラットフォームを採用した。サスペンション形式はフロントがストラット、リアはマルチリンクとした。ボディー剛性も大幅に向上しており、横方向の剛性は現行比で66%高めた。
ボディーサイズ(日本仕様)は、全長4360mm、全幅1810mm、全高1550mm、ホイールベース2690mm。全長を現行より120mm短縮したが、eアクスルの小型化やHVAC(空調ユニット)を車室外に組み込むことで現行並みの室内空間を確保した。空力性能にもこだわり、空気抵抗係数(Cd値)は0.26を実現。高速走行時のエネルギーロスを低減する。
パワートレインは、モーターとインバーター、減速機を一体化した新開発の「3 in 1」を搭載した。現行に比べて10%小型化した。また、高剛性モーターマウントでモーター振動を同75%低減したほか、高遮音カーペットも採用し、高い静粛性を実現した。
駆動用リチウムイオン電池は、容量52kWhと75kWhの2種類を用意。モーター最高出力はそれぞれ130kWと160kWとした。75kWhモデルは、国内のWLTC基準で最大600km以上の航続可能距離を実現した。また、出力150kWの急速充電を用いて、電池残量10%から80%まで最短35分で充電できる。
インテリアでは、12.3インチまたは14.3インチのデュアルスクリーンを統合したディスプレーデザインを採用した。メーターの背景デザインは最大で5種類用意し、新型リーフ専用の「Engawa(縁側)」デザインも設定した。アンビエント照明も64色から選択可能なほか、遮熱性を高めた調光パノラミックガラスルーフも用意。電子調光技術でガラスの透明度を変更できるなど、気分や好みに応じた演出が可能な車内環境を実現した。
生産は、栃木工場(栃木県上三川町)と英国のサンダーランド工場が行う。米国を皮切りに、カナダ、欧州、日本で発売し、販売価格などの詳細情報は順次公表していく。