物流業界で深刻化するドライバー不足。輸送力確保が喫緊の課題となっている。こうしたなか、運転環境を大きく変える可能性を秘めた制度改正が迫る。2026年4月、道路交通法改正で準中型・中型免許にAT限定が新設され、27年には大型免許にも拡大される予定だ。マニュアル車中心だった運転資格の枠組みを見直すもの。トラック運転のハードルを下げ、若年層などの人材参入を促す可能性がある。
〇トルクなどに強み
制度変更と並行して進むのが、商用車の「2ペダル化」。アクセルとブレーキのみで運転できるトランスミッションは、乗用車ではすでに主流だが、商用車はマニュアルやAMT(自動化マニュアル変速機)が中心だ。しかし運転負担軽減や安全運行への期待から、ATを含む2ペダル車への関心が高まる。
実際、バスではすでにAT化が大きく進む。変速ショックの少ない滑らかな加速は、立って乗車する乗客が多いバスでは特に重要だ。同様のメリットがトラック分野にも波及する可能性がある。商用車用ATの代表的メーカー、アリソン・トランスミッション。トルクコンバーター式AT分野で世界的な実績を持ち、100年以上にわたり商用車用トランスミッションを開発してきた。
トルクコンバーターはトルク増幅効果を持ち、力強い加速に加え雪道や砂利道など悪路での発進性も優れる。雪国での試乗では、マニュアル車では半クラが難しい坂道でも、スムーズに発進できる点が評価された。
また独自の動力伝達方式、遊星歯車による「Continuous Power Technology」が秀逸だ。変速時に一時的にトルクが途切れるMTやAMTとは違い、アリソンATは動力を途切れさせずに伝達できるため、滑らかで素早い加速が可能になる。
都市物流や建設現場などで特に効果を発揮。例えば配送トラックなどでは、頻繁な発進停止や低速走行が求められる。ATならクラッチ操作が不要で、ドライバーの負担減だけでなく、クラッチ摩耗の低減など整備コスト面でもメリットがある。
〇海外では普及進む
海外ではすでにトラックAT化の事例が増えている。豪では中型トラックの多くにATが普及。長距離輸送や都市配送の双方で、運転の容易さと耐久性が評価される。
ダカールラリーでは、アリソンのATを搭載したトラックが参戦し、極限環境でも高い信頼性を立証。プロからの評価の高さを示す事例となっている。
日本市場参入から50年を超す同社はサービス強化を進める。現在、国内には30拠点以上のサービスネットワークを構築しており、普及拡大を見据えてさらなる拡充も検討中だ。
物流の効率化と人材確保。AT限定免許の導入と2ペダル化の進展は、ドライバーの裾野を広げると同時に、運転負担の軽減や安全運行の支援につながる可能性がある。
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