AGCの溶解炉で作られたアルジロダイト型硫化物固体電解質

 AGCは6日、車載用全固体電池の材料として見込まれる硫化物固体電解質について、新たな生産技術の開発に成功したと発表した。溶解炉を新開発し、均質で純度の高い固体電解質を製造できるという。2027~28年頃の事業化を視野に入れる。

 ガラスメーカーの知見を生かし、新開発の炉を用いた独自の溶融法を確立し、横浜テクニカルセンター(横浜市鶴見区)で実証に成功した。さまざまな原料を加熱溶融でき、高品質な電解質を効率的に生産できるという。リサイクル原料の利用も容易になるとしている。

 硫化物固体電解質はイオン伝導率が高く、電気自動車(EV)用全固体電池材料の有力候補とされる。従来の製造法では一回あたりの製造量や均質性、純度などに課題があった。

 同社は今後の量産事業化に向け、生産プロセスや品質の改善に取り組む。