日立アステモは19日、国内外15拠点で製造している22種の製品で不正があったと公表した。自動車用ブレーキやサスペンション部品などの生産工程で、検査を省くなどの不正が行われていた。出荷済みの対象製品は約2億個に上る。

 同社は2021年末にも、山梨工場(山梨県南アルプス市)と福島工場(福島県伊達郡)で同様の不適切行為が発覚した。これを受けて国内外の全工場で調査を実施し、今回その結果を公表した。

 不正があったのは、21年末に公表した2工場を含む国内11工場および米国、中国、タイなどの海外4工場。約40年、不正行為が続けられていた部品もあった。受注活動の段階で、現場では対応できない試験検査項目に合意するなど「実現困難なコミットメントを許容する文化があった」(同社)ことが原因だという。

 対象製品は当初の約1010万個から約2億11万個に増加した。同社は、対象製品の安全性を確認したという。