オンライン会見で謝罪するブリス・コッホCEO(右)

日立アステモは12月22日、ブレーキ構成部品とサスペンション構成部品に関して自動車メーカーとの間で取り決めている定期試験を実施していなかったことが判明したと発表した。

山梨工場(山梨県南アルプス市)で製造しているブレーキ構成部品が9社向けの5製品で、2003年10月から21年3月まで定期試験を実施せずに顧客向け報告書に虚偽のデータを記載していた。

福島工場(福島県桑折町)で製造しているサスペンション構成部品では、のべ19社向け4製品で不適切行為が判明した。出荷検査では00年頃から21年10月まで減衰力測定時の判定温度の設定変更などを行っていた。定期試験では00年頃から21年10月まで減衰力実測値を規定値内へ書き換える行為などが判明した。

これら不適切行為の期間に生産した製品を社内で検証した結果、安全性や性能に問題はないとしている。

不適切行為が判明したのを受けて他の工場で自己監査を実施したところ、現時点では不正は見付かっていない。今後、社外弁護士による特別調査委員会を設置し、不正行為の原因究明と再発防止策を検討していく。