自動運転「レベル4」の実現に向けて開発競争が激しくなっている

 「レベル4」(特定条件下における完全自動運転)以上の自動運転車の実用化に向けた動きが活発となりつつある。ホンダが量産車として初となる「レベル3」の技術を搭載した「レジェンド」を投入したばかりだが、開発は次の段階へと入りつつある。

 自動運転レベルは「レベル0」から「レベル5」までで、誰が操作主体になるかによって分かれる。レベル1、2では「人間」が操作の主体となるが、レベル3以降は「システム」が中心となっていく。

 日本政府は、レベル4以上の自動運転車の開発を後押しし、国内外の自動車・部品メーカーが利用可能な高精度シミュレーション基盤を構築していく。開発期間の短縮や効率化につなげる。官が民間の開発を後押しする。

 自動車メーカーもレベル4の実現に向けて動き始めている。商用車メーカーでは、日野自動車が20年に大型ダンプトラックを使った自動運転レベル4技術の実証実験を三重県内のダム建設現場で実施した。また、三菱ふそうトラック・バスは親会社ダイムラーグループと連携して自動運転レベル4の技術を開発している。今後システムが運転主体となるレベル4の実現に向けて技術開発が進展している。

 また、ヴァレオやコンチネンタルといったサプライヤーもレベル4以上の製品群の開発を進めている。

 レベル4以上の自動運転車の本格普及は、2030年代以降になるとみられる。今後10年で開発の土台を整えていくことになりそうだ。