統合コックピットにより大型化するディスプレー

 自動運転技術の進化やコネクテッドカ―の普及によって車室内で快適に過ごすための空間にするニーズが高まる見通し。こうした新たなニーズに対応する次世代車に求められるコックピットの開発が本格化している。

 車室空間の変化を事業拡大のチャンスと捉えるのはパナソニックだ。グループで強みを持つ家電や住宅などの生活領域のノウハウを生かし、リビングのような車内空間の創出の実現を描く。自動車以外の領域の事業を融合して自動車メーカーの要望に応え、自動車の付加価値向上を支援していく。

 アルプスアルパインは、中・長期的な自動車の車室空間を想定し、これらを効率的に全体を制御する統合コックピットの実現を目指している。この一環で、日本精機と統合ディスプレーの共同開発に着手している。これを実現するには、乗員と車がシームレスにコミュニケーションするHMI(ヒューマン・マシン・インタフェース)が重要となる。大型化やスマートフォンに近い操作感覚を実現できる車載ディスプレーの実現を目指す。

 また、パイオニアは音声AI(人工知能)アシスタントを手がけるセレンスと戦略的パートナーシップを結んだ。クラウドベースの対話型AIを活用したセレンスの自動車向けアシスタントプラットフォームに、パイオニアの車載器やモビリティサービスを融合することで、安全で拡張性が高く、快適な移動体験を提供するハードウエアとソフトウエアを共同開発する。

 車載インフォテインメントシステムを手がける各社は、次世代車の車室内に求められる機能や装備、デザインを描くとともに、新しい商品やサービスを開発、車室空間のモデルチェンジを後押ししていく。