スマホ連携や音質向上など機能拡張が進むカーナビゲーションシステム

 CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)やMaaS(サービスとしてのモビリティ)など自動車の技術革新の進展とともに、用品業界も大転換期に突入する。コネクテッド機能を活用した運転挙動などのデータ収集・分析は、パーソナライズの新サービスにもつながるもので、用品領域のビジネスチャンス創出が期待されるところだ。昨年から世界的にも一挙に前進した電動化においては、EVが代表するように車両の静粛性に着眼した新製品のニーズが用品市場で高まりそうだ。

 タイヤメーカー各社では、電動車向けタイヤの開発・販売に力を入れている。転がり抵抗の低減により航続距離延長に貢献し、モーター走行時でも優れた静粛性を発揮するトレッドパターンを採用した新製品なども見られる。EVの本格的な普及を見据えた製品開発や生産体制の強化に乗り出すタイヤメーカーも現れている。内燃機関車と比較して車重の増加や高トルク化など、各社はさまざまな課題の解決に尽力する必要がある。多彩なボディーサイズの電動車の出現も予想される中、交換需要なども見据えた電動車対応製品に期待したい。

 カーエレクトロニクス製品の進化も期待できる。半導体不足から減産などの影響を受けたものの、21年は音響にこだわった新製品の発表が目立った。電動化によって車内の静粛性は格段に向上。近年は音楽のサブスクリプションサービスが普及し、ハイレゾ音源を気軽に再生できることから、より良い音で車移動中の音楽を楽しみたいニーズも高まっている。音楽だけではなく映像を含めて楽しみたいユーザーは少なくない。コネクテッドの分野も外部通信サービスの活用で、ソフトウエア更新の高速化やアップデートによる高機能化も進む見通しだ。

 電動化が推し進められる一方で、スポーツカーの新モデル発売などでカスタマイズ業界は活況の一年となりそうだ。内燃機関車を開発する最後のチャンスと、国内自動車メーカー各社は「走って楽しい」クルマづくりに取り組んでいる。それに追随すべくカスタマイズ業界は、新型車向けにポテンシャルを更に引き出す製品開発に注力している。今月14~16日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催予定の「東京オートサロン2022」では、数多くの新製品が発表される予定だ。新型車の流通が進めば中古車の発生も予想される。これにより既販車向けパーツの販売も好調に推移しそうだ。