構造情報を新たに取得することで高精度な物性推定と構造変化の検知が可能になる

住友ゴム工業は10月18日、AI(人工知能)を使ってタイヤの性能を持続させる技術「タイヤリープAIアナリシス」を確立したと発表した。タイヤの原材料情報に加え、ゴム内部の構造情報である高度分析データのリアルな情報から高精度にゴムの物性を推定できるほか、使用前後の構造変化の検知によって使用後のゴム物性推定などにも応用できる。

今回確立した技術は、タイヤ用配合ゴムの電子顕微鏡画像にAI解析技術を適用することで、高精度に解析して画像から物性を導き出すことが可能となる。さらにゴムに配合されている原材料の情報と、他の構造情報を組み合わせることで、高精度な物性推定も可能となる。

タイヤの主材料であるゴムは天然ゴムや合成ゴムなどのポリマー、カーボンやシリカなどの補強剤、架橋剤や添加剤などで構成する複合体で、材料の配合量や構造で性能が決まる。しかし、ゴムの内部構造は複雑で、人による解析では時間を要し、解析精度に限界があった。

今回確立した技術は、使用前後のゴム内部の構造変化も検知できる。このため、今後は使用後のゴムの物性推定などに応用し、タイヤの性能を持続させる技術開発を加速していく。