トヨタ自動車などが設立した次世代グリーンCO2燃料技術研究組合(略称=ラビット、中田浩一理事長)とENEOS(エネオス)は、国産セルロース(繊維質)を使った自動車用バイオ燃料の持続的な量産技術の確立に乗り出す。国産セルロースエタノールを10%混合した「E10ガソリン」をモータースポーツ向けに出荷した。今後、20%混合したE20燃料の研究開発を加速するとともに、原料となるセルロースの多様化も図っていく。
ラビットは自動車用バイオエタノール燃料を製造する技術を研究するため、2022年に設立した。
ラビットとエネオスは、ソルダムを原料としたセルロースエタノールを10%混合したガソリンを、9月から全日本スーパーフォーミュラ選手権のテスト走行向けに供給する予定で、26年シーズンから本格的に供給する。
また、国内では40年ごろに供給される見通しのバイオエタノールを20%混合したE20を試作する。自動車メーカーは30年以降に販売する新車はすべてE20対応車とするため、ラビットの組合員である自動車メーカーなどの開発車両向けに供給する。バイオ燃料はガソリンの品質改良も必要なため、量産型エンジンに対応するE20ガソリンをエネオスが開発する。
現在、研究開発するE10向けの国産セルロースエタノールの原料にはソルダムを使用しているが、今後は食物と競合しない他の国産原料でも研究を進める。国内で一定量の調達が可能な、稲わらや麦わら、サトウキビやトウモロコシの残渣などを有望視している。
E10ガソリンは国内では28年から一部地域で先行導入され、30年ごろから供給が本格化する見込み。E20ガソリンも今後、燃料規格などの法整備が進み、40年ごろの供給が見込まれている。