定員11人以上の大型車両を投入
定員4~6人のタクシー車両
AI運行バスの乗降ポイント

NTTドコモと新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、横浜市は、横浜都心臨海部で「AI運行バス」の実証実験を実施すると発表した。今回新たに定員11人以上の大型車両を追加し、車いす利用者にも対応する。

「AI運行バス」は、スマートフォン(スマホ)のアプリなどを通じて乗車を予約する。利用者からの乗車予約をAI(人工知能)がリアルタイムでの最適ルートを決定し、利用者はスムーズに移動できる。実証実験は、移動手段に加え、商業施設のサービスをMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)プラットフォームに統合、交通と商業施設が連携して交通需要増大と商業施設の売上向上を図り、移動の社会課題解決につなげることを目的に実施する。

2019年度の実証実験では、第1弾として10月10日から10月20日の11日間、みなとみらい21、関内エリア周辺を運行する。スマホの専用サイトからダウンロードしたアプリから観光施設やグルメスポット、イベント情報を検索して、検索結果から直接「AI運行バス」を予約できる。定員4~6人の定員タクシー15台に加え、定員11人以上のバス車両1台を運行し、移動需要と移動手段の供給をマッチングする。乗車料金は無料。

実証実験では、観光地や商業施設などの高需要ルートに大型車両を活用して、効率性とサービス性に関する性能や運営オペレーションを検証する。車いす利用者を考慮した予約方法、配車制御や、AIタクシーで実用化したリアルタイム移動需要予測技術を適用して、効果を検証する。250を超える商業施設などとの連携し、各種情報や集客用のクーポンを配信できる機能も提供し、集客サポート機能の効果も検証する。

実験を通じてAI運行バス車両全体の有効利用や、ユニバーサルデザインなど、技術・ビジネス性の検証を進め、AI運行バス実用化による利便性向上と地域経済活性化の実現を目指す。

2018年度の実証実験では、、10月5日から12月10日の期間、定員4~6人の車両でAI運行バスの技術を検証し、国内外の観光客や居住者、勤務者など合計約3万4000人を輸送。都市部でもオンデマンド乗合交通の需要が高いほか、膨大な乗車地クエストに対してリアルタイム配車を実現できる技術を確認し、回遊性向上にもつながったとしている。

ドコモは、MaaSが移動に関する社会課題の解決につながると見ており、地方部から都市部までAI運行バスによる二次交通の充実に取り組んできた。これまでの実証実験から得られた知見にもとに、AI運行バスの機能向上に取り組み、交通手段の生産性向上を図るとともに、交通サービスと移動の先にある目的・サービスとの連携も進め、地域経済の活性化にも寄与していく方針。