パイオニアは、10月1日付けで組織体制を見直し、社内カンパニー制を導入すると発表した。同時に、役員人事でカルビーの経営再建を主導したプロ経営者の松本晃氏が同日付けで、社外取締役に就任する。

パイオニアは、2018年にアジアの投資ファンドのベアリング・プライベート・エクイティ・アジアの傘下に入った。新生・パイオニアとして顧客の特性に沿った商品やサービスを提供するため、社内カンパニー制を導入するとともに、プロ経営者の助言も得て経営再建を本格化させる。

MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)などによって今後、成長が見込まれるテレマティクス事業を中心に、データを活用した事業を手がける「モビリティサービスカンパニー」と、モノづくりに関する事業を担当する「モビリティプロダクトカンパニー」を新設する。カンパニーに権限と責任の移して、事業特性に適した経営を迅速に展開する。

モビリティサービスに必要な位置情報を扱う連結子会社のインクリメント・ピーはモビリティサービスカンパニーの傘下に置く。モビリティプロダクトカンパニーの傘下に「市販事業統括グループ」と「OEM事業統括グループ」を設置し、それぞれの事業サイクルや顧客の特性に合わせた経営を行うことで、事業ごとの収益管理を徹底する。

組織も見直し、横断的な全社構造改革とイノベーションの創造に向けたキーコンポーネントを開発する「変革推進本部」と同本部を担当する「チーフ・トランスフォーメーション・オフィサー(CTrO)」職を新設、坂本雅人常務執行役員が就任する。

一方、社外取締役に就任する松本氏は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの副社長を経てカルビーのトップに就任して経営再建を果たしたプロ経営者。現在は経営が悪化したRIZAPグループの特別顧問も務めている。