トヨタ自動車とスバルは9月27日、提携関係を強化することで合意したと発表した。共同開発した「トヨタ86」「スバルBRZ」の次期モデルを共同開発することや、新たに自動運転やコネクテッド領域でも連携する。長期的に提携関係を強化するため、トヨタはスバルへの出資比率を現在の16.8%から20%にまで引き上げて関連会社にする。スバルも今回、トヨタが追加取得する株式の同額の費用分のトヨタ株式を取得する。

トヨタとスバルは2005年に提携し、スバルの米国生産拠点でトヨタ車の受託生産やトヨタからスバル向けの車両供給、トヨタ86とスバルBRZの共同開発など、協業してきた。今年6月にはスバルの全輪駆動技術とトヨタの電動化技術を融合したEV専用プラットフォームとEV(電気自動車)を共同開発することでも合意した。

自動車業界が大きな変革期を迎えている中、トヨタとスバルはCASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)領域を中心に、連携を強化することで合意、トヨタはスバルへの出資比率を引き上げるとともに、スバルもトヨタに出資する。

トヨタはスバルに現在、16.8%出資しているが、出資比率を20%に引き上げる。9月27日のスバルの株価終値では取得費用は約754億円程度になる。スバルは800億円を上限に、トヨタがスバル株式を追加取得するのに要した金額でトヨタ株式を取得する。

また、競争力の高いAWDモデルや、トヨタ86とスバルBRZの次期モデルとなるFRスポーツカーを共同開発する。さらに北米市場に投入しているスバルの「クロステック・ハイブリッド」に搭載しているトヨタのハイブリッドシステムを、他のスバル車に搭載を拡大、コネクテッドや自動運転分野でも協力していく。

トヨタの豊田章男社長は「『走る愉しさ』を追求してきた両社がお互いの強みを持ち寄り、関係を深めることで、CASE時代に相応しい『もっといいクルマづくり』の可能性を追求していきたい」とコメント。スバルの中村知美社長は「両社の関係をもう一段ステップアップさせることで、CASEなどへの対応力を強めるとともに、お互いの技術を磨き合いながら、両社の共通の想いである『もっといいクルマづくり』を加速させる」としている。