ニデックは5月8日、牧野フライス製作所に対する株式公開買い付け(TOB)を撤回すると発表した。買い付け期間を約2週間残しての撤退となる。牧野フライスが対抗措置に踏み切る中、TOB継続に経済合理性がないと判断した。これまでに募集した株券は9日から返還する。

牧野フライスは同意なきTOBに反対し、対抗措置として新株予約権を無償で割り当て、ニデックの持ち株比率低下を図っていた。ニデックは4月24日の決算説明会で「(反対表明を受けても)誠心誠意、一緒のグループになってやっていきたい思いは変わらない」(岸田光哉社長)としていた一方、牧野フライスの一連の対応を「買収防衛策」と批判。ニデックは対抗措置の差し止めを求める仮処分を申し立てていたが、7日に東京地方裁判所に却下されていた。