荒木隆光専務執行役員

 ニデックは4日、牧野フライスに対する株式公開買い付け(TOB)を開始した。牧野フライス側の賛同を得られないままのTOBだ。同日、都内で開いた会見でニデックの荒木隆光専務執行役員は「面談を再三、申し入れたが、これ以上期待できない」と説明し「われわれはファンドではなく製造業の事業会社。(買収による)シナジーを明確に説明して提案している」と強調した。

 ニデックは、昨年暮れに「生産機械領域で市場補完性がある」との判断に基づき、牧野フライスに対するTOB提案を公表したが、牧野フライス側が「企業文化の違い」などを理由に反対する構えを示し、買収防衛策を模索するなどしていた。ニデックは「すでに必要十分な検討期間を提供した」としてTOBに踏み切った。買い付け期間は5月21日まで。買い付け価格は1株当たり1万1千円。

 会見には、ニデックが過去に買収したグループ企業のトップも出席し、TOBへの同意や買い付けへの応募を呼びかけた。