自動車業界首脳らとの懇談
イーモーションフリートを視察する赤澤経産相と自工会の片山会長
スカイドライブを視察する赤澤経産相
T2を視察する赤澤経産相

赤澤亮正経済産業相は11月3日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催中の「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」を訪れ、日本自動車工業会の片山正則会長や日本自動車会議所の豊田章男会長らと懇談した。赤澤経済産業相は、米国の関税政策や半導体のサプライチェーン(供給網)確保、ソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)化といった話題に触れ「皆さまとしっかり力を合わせていきたい」と述べた。

片山会長は、自動車・部品関税の15%への引き下げについて赤澤経済産業相の交渉に感謝を示しつつ、「15%の関税影響は小さいものではない」とし、開かれた自由貿易に基づく事業環境の実現を要望した。「国内の生産基盤維持のためにも、今年の税制改正では環境性能割の廃止を実現していただくことが長年の悲願だ」(片山会長)とも述べ、ガソリン暫定税率の廃止に伴い、代替財源を車体側に付け替えることに反対の姿勢を改めて示した。

オランダの中国系半導体メーカーであるネクスペリアの出荷停止など経済安全保障上のリスクが高まっていることについて、片山会長は「レアアース、半導体などの課題は日に日に緊急性を増しており、いっそうの官民連携が必要だ」と述べた。

赤澤経済産業相はまた、スカイドライブ(福澤知浩代表取締役CEO、愛知県豊田市)の「空飛ぶクルマ」や、T2(熊部雅友社長CEO、東京都千代田区)の自動運転トラック、商用電気自動車(EV)導入支援のイーモーションフリート(白木秀司社長、東京都品川区)などを視察した。

終了後、赤澤経済産業相は「他産業との連携やスタートアップとの取り組みを含め、社会全体の将来が見られる楽しい展示になっている。基幹産業の自動車業界が力強く課題を乗り越えられるよう、全力で後押ししたい」と述べた。