トヨタ自動車は13日、ステーションワゴン「クラウンエステート」を発売した。「クロスオーバー」「スポーツ」「セダン」に続くクラウンシリーズの第4弾だ。高級車に対するニーズが多様化する中、同じ車名で多様な車形を展開する「群戦略」に基づく全モデルがこれで出そろい、顧客層の拡大を狙う。
当初は2023年度中の発売を計画していたが、認証不正などの影響で延期を繰り返し、1年以上遅れての市場投入となった。同日、都内で開いたイベントに登壇した清水竜太郎チーフエンジニアは「『エステートはまだか』という声をたくさん頂いていた。こうしてお届けできる日が来てうれしく思う」と語った。
プラットフォームは、クロスオーバーやスポーツと同様に中型の前輪駆動車向け「GA―K」を採用し、設計や部品の共有化を進めた。パワートレインは排気量2.5リットルエンジン搭載のハイブリッド車(HV)とプラグインハイブリッド車(PHV)仕様を用意する。PHVのEV走行距離は89キロメートル(国土交通省審査値)。
エクステリアは、他のクラウンと同様にヘッドライト周りが横一文字に伸びる「ハンマーヘッド」と呼ぶデザインでシリーズの統一感を演出した。ワゴンボディーは荷室空間の広さが最大の特徴で、荷室容量は570リットル、後席格納時は1470リットルを確保する。後席折りたたみ時に車中泊が可能な2メートルの平面スペースを生み出す「ラゲージルーム拡張ボード」をトヨタ車で初採用した。
堤工場(愛知県豊田市)で生産する。月間販売台数は1500台で、このうちPHVは500台を計画する。価格(消費税込み)はHVの「Z」が635万円、PHVの「RS」が810万円。