エアロパフォーマンスパッケージ装着車
オートポリス大会に参戦したニュル参戦マシン

 ニュル24時間完走がGR販売に好影響―。トヨタ自動車GRカンパニーの高橋智也プレジデントは「GRヤリス」用メーカーオプション「エアロパフォーマンスパッケージ」への問い合わせが急増していることを明らかにした。6月にドイツで行われた「ニュルブルクリンク24時間レース」でGRヤリスDATが完走して以降「ニュル参戦マシンと同じ仕様なのか」などの問い合わせが多く寄せられているという。

 スーパー耐久第5戦(7月26~27日)が行われたオートポリス(大分県日田市)で高橋プレジデントが報道陣の取材に答えた。エアロパフォーマンスパッケージは、アルミフードやフロントリップスポイラー、フェンダーダクト、可変式リヤウイングなど、冷却性能と空力性能を高める6つのパーツを装備するメーカーオプション。スーパー耐久シリーズや全日本ラリーなどのノウハウを活用し「RZ〝ハイパフォーマンス〟」「RC」2モデルのメーカーパッケージオプションとして、今秋以降の発売を予定する。

 高橋プレジデントは問い合わせを踏まえ、車両生産については「短納期で供給できる生産体制を構えている」と語り、GRヤリスだけでなく、GRカローラについても納期改善が進んでいると話した。

 トヨタは今年1月、元町工場(愛知県豊田市)にあるスポーツカー専用工場「GRファクトリー」を刷新。これまで同じ建屋内にあったボディー溶接と組立・検査工程のうち、組立・検査工程を別の建屋に移すなどして、生産効率を高めている。

 

 ニュル24時間レース参戦車はスーパー耐久第5戦にも出場した。基本的なセッティングはニュル仕様のまま。高温多湿の過酷な環境下、5時間を走り切った。トヨタは「サスペンション性能やエンジン出力などにおいて新たな知見を獲得し、今後のクルマづくりに活かす」としている。
   (2025/8/7 修正)