日産車体の湘南工場
日産車体は10月29日、湘南工場(神奈川県平塚市)をサービス部品生産拠点に転換すると発表した。日産自動車から受託する「NV200バネット」の生産が2026年度末に終了することを受け、存廃が注目されていた。従業員は日産車体九州をはじめとする関係会社への異動を基本線としており、同工場での雇用を継続する人員の規模は労働組合などとの協議を経て決定する。
同日開いた取締役会でサービス部品生産工場への転換を決議した。同工場では従来、NV200バネットの生産受託のほか、日産車向けにドアなどの補修部品生産も手掛けている。決算資料によると、24年度の売上高のうち「部品売上・その他」は全体の7.7%に当たる268億200万円に上る。
新車生産受託の終了が迫る中、従業員の技術や知見、保有する設備などを生かせることに加え、海外を含む日産の他工場や他社の部品生産などで事業の拡張性、継続性を期待できるとして、サービス部品生産拠点としての工場維持を決めた。「日産車向け以外の部品生産の可能性も排除しない」(同社広報)という。同工場で働く従業員の一部は残留し、部品生産に従事することになる。現有の生産設備を縮小するかどうかは非公表としている。
転換時期や異動・残留する人員規模は、組合などとの協議を経て今後決定する。業績への影響は算定後速やかに公表するとしている。
子会社の日産車体九州を除く日産車体全体の従業員数は、今年3月末時点で1786人。


