クラウンエステート

 トヨタ自動車は、国への型式指定申請業務を再開した。11月から継続生産車にも適用される各種法規の適合に向け、一部改良車などから申請を始めた。こうした継続生産車の基準適合を優先するため「クラウンエステート」など新型車の発売時期は遅らせる方針だ。

 トヨタは、認証業務の不正が発覚後、国土交通省から是正命令を受け、今月9日に再発防止策を提出した。認証関連業務に携わる人員を1割程度増やすほか、認証試験に立ち会う「社内審査官」を新たに設けるなどの体制整備を進めている。こうした再発防止の体制整備に一定のめどがついたと判断して申請を再開させた。

 まずは継続生産車の一部改良などを優先させる。継続生産車も「側面衝突時の乗員保護」の規制対象拡大や「後面衝突時の乗員保護」の新規要件適用、路上排出ガス試験(RDE)の強化といった法規への対応が必要だ。「RAV4」などで新法規対応が必要になるとみられる。

 継続生産車の一部改良などを優先させるため、発売を予定している新型車の認証申請を遅らせる。クラウンエステートは当初、2023年度内の発売を予定していたが、24年7月時点で10月以降に延期となり、今回の対応でさらに12月以降に延期する見通しとなった。すでに発表を終え、6月に発売予定だったレクサス「GX」も発売延期が続いている。