日産が米国で生産するピックアップトラック「フロンティア」
乗用車と同じモノコック構造を採用するホンダ「リッジライン」

日産自動車とホンダが、日産の米国工場生産車のホンダへの供給について協議していることがわかった。主にピックアップトラックを検討しており、日産が「フロンティア」を生産する米ミシシッピ州キャントン工場で、ホンダが販売する車両を生産する可能性がある。

関係者は7月11日、「両社で補完し合えるモデルについてさまざまな検討をしており、そのうちの一つがピックアップトラックだ」と明らかにした。

日産のイヴァン・エスピノーサ社長は5月の決算説明会で、ホンダ車の生産による米国工場の活用について問われ「米国市場においては協業の可能性を探っている」と話していた。実現すれば両社に一定の利点をもたらすとみられる。経営再建中の日産は、工場の稼働率を高める必要があり、ホンダも車両ラインアップを補完できる。

ホンダは現在、ピックアップトラック「リッジライン」を北米で販売している。シャシーは乗用車と同じモノコック構造で、SUV「パイロット」と部品を一部共通化している。日産が生産する堅牢なラダーフレーム車の供給を受ければ、より幅広い現地の需要を取り込める可能性がある。

調査会社マークラインズによると、2024年の米国とカナダの販売台数は、フロンティアが7万796台、リッジラインは4万8856台だった。