ホンダは19日、第101回定時株主総会をベルサール新宿グランド(東京都新宿区)で開いた。三部敏宏社長は冒頭、4月に副社長を辞任した青山真二氏の不適切行為について謝罪した。経営統合が破談になった日産自動車と今後について株主から問われた三部敏宏社長は「2月の白紙の状態から進展はない。一方、日産と三菱自動車の3社協業効果のポテンシャルは大きい」と、協業を継続していく考えを改めて示した。
総会では井上勝史執行役専務の新任を含む取締役12人を選任する1事案について、賛成多数で可決された。
株主からは〝トランプ関税〟の影響について質問が出た。三部社長は「トランプ政権の動向を見極めるのは非常に難しい。例えば、来年の中間選挙で方向性が決まってくると思うが、見えない中で大きな判断をするのは難しい」と応じた。
例年、質問が出る四輪事業の収益改善について、井上執行役専務は「重要な課題だと捉えている。電気自動車(EV)市場の軟化によって、インセンティブ(販売奨励金)は増加している。稼ぐICE(内燃機関)事業とEV事業の速度調整で収益性の底上げを狙う」と説明した。
来年から復帰するF1(フォーミュラワン)について、株主から「F1参戦のリソースを四輪開発に振り向けては」と提案された三部社長は「2026年からレギュレーションが大きく変わる。電動化の時代に向けてホンダの技術の優位性を示していく」と答えた。
会場出席者数は633人、質問数は21問、所要時間は2時間10分だった。