ソフト99コーポレーションは9月25日、旧村上ファンド出身者が設立した投資ファンド「エフィッシモ・キャピタル・マネージメント」によるTOB(株式公開買い付け)に反対する意見を表明した。株主に対して、エフィッシモの実施するTOBへの応募をしないよう要請するとともに、既に応じている場合は契約の解除を求めている。これまでエフィッシモのTOBに対して株主の判断を尊重する姿勢を示してきたが、ソフト99が反対意見を表明したことで、両者の駆け引きは新たな局面に入った。
ソフト99は8月7日、MBO(経営陣が参加する買収)による株式の非公開化に向けたTOBを開始。それに対してエフィッシモが「少数株主の利益の保護に強い懸念がある」と主張し、ソフト99に対するTOBを9月16日に開始した。
ソフト99は今回の反対表明の理由について、(1)グループの企業価値向上に資すると認められない、(2)一般株主にとって公正であると認められない、(3)エフィッシモのTOBの実現可能性に疑義が残る、の3点を挙げている。
ソフト99による買い付け価格は、1株当たり2465円。一方エフィッシモは、ソフト99の買い付け価格がPBR(株価純資産倍率)1倍を下回る著しく割安な水準であることを理由に、少数株主の利益を確保する観点から1株当たり4100円と7割近く高い価格での対抗TOBを開始した。
ソフト99はこうした価格差も考慮し、株主の判断に時間を要するとの配慮から、TOB終了日を9月19日から10月2日に遅らせていた。