販売現場でもムーヴの拡販に力を入れる(イメージ)

2025年10月の軽自動車車名別新車販売台数でダイハツ「ムーヴ」がダイハツ車として2019年11月以来、約6年ぶりに首位に立った。ハイト系ワゴンが首位になるのは21年10月のスズキ「ワゴンR」以来48カ月ぶり。新型車効果で販売台数を大幅に伸ばした。一方、ホンダ「N-BOX(エヌボックス)」は、17カ月ぶりに首位から陥落。さらに14年12月以来、約11年ぶりにトップ3からも外れた。エヌボックス一強だった軽市場に地殻変動が起き始めている。

10月のムーヴの新車販売台数は前年同月の約3.1倍にあたる1万6015台だった。2位のスズキ「スペーシア」を抑え、首位に立った。ムーヴをきっかけとした来店客の増加や特別仕様車を追加した効果で「タント」(同34.3%増の1万4244台)も好調に推移し、前月の4位から3位に浮上した。

エヌボックスは今年4月以降、車両価格の上昇などの影響で販売の勢いが鈍くなっており、10月は同24.0%減の1万2784台と減少率が拡大した。販売会社の一部では「上期末の9月になんとか台数を出した反動で息切れした」という声もあった。

登録車を含めたランキングでは、トヨタ「ヤリス」がムーヴを上回る同1.3%増の1万7041台を販売し、6カ月ぶりに首位になった。