日産などの新型車投入でさらに競争が激化しそうな軽スーパーハイト市場

 2025年度上期(4~9月)の車名別国内新車販売台数(登録車と軽自動車の合計)は、ホンダ「N-BOX(エヌボックス)」が首位になった。全面改良から1年半が経過し、新型車効果は一服したものの、低金利施策などで需要を喚起し、4年連続でトップをキープした。もっとも、軽スーパーハイトワゴンの競争は激しくなっており、総合2位のスズキ「スペーシア」との差は前年の2万2千台から1万8千台まで縮まった。さらに10月以降には日産自動車や三菱自動車も新型を投入するなど、下期は競争が一層過熱しそうだ。

 トップのエヌボックスは前年同期比4.2%減の9万7958台だった。首位は維持したが、半導体不足などで車両の供給が滞った22年度上期以来3年ぶりに10万台を下回った。23年10月の全面改良から新型車効果が薄れたほか、車両価格の上昇も影響したとみられる。現行モデルは全面改良で旧型から15万円ほどエントリーモデルの価格が高くなり、その後の仕様変更で現在は約174万円にまで上昇した。「150万円前後がスタートラインの競合車と比べて競争力が下がった」とホンダ系列販売店の首脳は語る。

 差を縮めているのが上期として2年連続で総合ランキング2位になったスペーシアだ。同モデルも全面改良が23年11月と新型車効果は薄れているとみられるが、25年度上期は同0.5%減の7万9805台と、認証不正で営業活動が停滞したダイハツ工業からの流入客があった前年並みの水準をキープした。

 3位にランクインしたのは登録車販売でトップのトヨタ自動車「ヤリス」。ヤリスが登録車最多となったのは上期として2年ぶり。2月末の一部改良で商品力を高めたことに加え、前年に認証不正の影響で一時出荷を停止していた反動で販売が伸びた。

 9月の車名別販売台数は、エヌボックスが5カ月連続でトップとなった。トヨタ「カローラ」「ルーミー」などが供給制約で販売台数を落としたことも影響した。