警察庁が発表した2025年上期(1~6月)の車名別盗難台数によると、最も盗難台数が多かったのはトヨタ自動車「ランドクルーザー(ランクル)」だった。前年同期より約3割増の765台と大幅に増えた。上位10車種のうち9車種がトヨタ・レクサス車だった。
盗難台数は、盗難車手配などがされた車名が明らかな車両を集計したもので、未遂などを含まないため、犯罪統計「自動車盗難認知件数」とは異なる。
1位のランクル以外でも、4位の「レクサスRX」が前年同期の80台から141台に、6位の「クラウン」も同44台から107台にそれぞれ大きく増えた。「CANインベーダー」などのツールを駆使し、海外で需要のある高級車を組織的に狙う窃盗団の暗躍がうかがえる。トヨタ車以外では、スズキ「キャリイ」が盗難台数43台で10位となった。
警察庁は防犯対策として、ハンドルロックなどの固定器具やGPS(全地球測位システム)追跡装置、車種を特定させないためのボディーカバーなどの活用を呼び掛けている。また、駐車場ではセンサーライトや防犯カメラの設置も有効とし、複合的な防犯対策の必要性があるとした。