好調だったダイハツ「ムーヴ」

 8月の車名別国内新車販売(登録車と軽自動車の合計)で、軽がトップ3を5年半ぶりに独占した。1位は4カ月連続でホンダ「N―BOX(エヌボックス)」で、スズキ「スペーシア」、ダイハツ工業「ムーヴ」と続いた。ここ数年、登録車では上位の常連だったトヨタ自動車の「ヤリス」「カローラ」などが台数を落とした。トヨタでは受注制限車種が増えており、順位を下げるモデルが目立った。

 エヌボックスは需要と供給がかみ合い、2位以下に3千台以上の差をつけて首位を独走した。スペーシアも前年並みを確保。ムーヴは新型車効果で前年同月比2・4倍と大きく伸びた。

 前回、総合ランキングで軽がトップ3を独占したのは2020年2月。当時の上位3車種は、エヌボックス、日産自動車「デイズ」、ダイハツ「タント」だった。

 ここ数年の単月ランキングは、エヌボックスを筆頭としたスーパーハイト系ワゴンとトヨタの量販車種がランキングの上位を争う構図だ。トヨタ車ではヤリスやカローラに加え、小型車「ルーミー」や小型SUV「ライズ」の人気も高い。このため、登録車がトップ3から外れることはなかった。

 ライズは、供給が安定したことで大幅増だったが、他の車種が台数を落とした。ヤリスはハッチバックタイプのマイナスが響き、カローラはSUVが落ち込んだ。トヨタ車がトップ3を逃すのも5年半ぶりだ。

 登録車ランキングではヤリスが12カ月連続の首位だった。2位はカローラ。トヨタの小型ミニバン「シエンタ」は同33.9%減だった。供給が追い付かなかったとみられる。

 軽ランキングでは、エヌボックスが首位を15カ月連続に伸ばした。トップ3は好調だったものの、4~9位のモデルはいずれも前年割れ。上位10車種中、6車種が前年を下回った。