13日以降、段階的に店頭価格が引き下がる見通し

経済産業省は11月7日、与野党6党がガソリン・軽油の暫定税率(当分の間税率)廃止で合意したことを受け、13日から段階的に元売り各社への補助金を拡充すると発表した。急激な価格変動による流通の混乱を避けるため。1回あたりの変動幅を最大5円程度に抑えながら支給単価を2週間ごとに拡大し、ガソリンは12月11日、軽油は11月27日から順次、暫定税率廃止と同水準まで小売り価格を引き下げる。

ガソリン価格は現在、価格引き下げの原資として元売り各社に1リットルあたり10円の補助金が支給されている。これに加え、ガソリンは15.1円、軽油は7.1円を段階的に拡充する。小売価格へ反映されるタイミングは、サービスステーション(SS)の在庫や競合環境などにもよるが、数日~1週間程度はかかるとみられる。拡充の原資は現行の激変緩和制度の基金で賄い、積み増しの必要はない。

経産省の資源エネルギー庁は、一時的な買い控えや反動増による流通の混乱を避けるため、政府広報などを通じ、消費者へ周知する。また、燃料の在庫不足のリスクを低減するため、エネ庁から元売り各社やSSへ、配送能力増強や、在庫平準化の協力を依頼するとともに、在庫回転が短い大規模事業者が周辺の中小・小規模事業者へ影響を与えないよう、公正取引委員会と連名で事業者に適正価格での販売を呼び掛ける。災害対策として、燃料を多めに備えることを推奨する「満タン&灯油プラス1缶運動」も継続する。

赤澤亮正経産相は「中小・小規模事業者への支援も総合経済対策で検討する」と述べた。

自民党や立憲民主党など6党は5日、ガソリン暫定税率を12月31日に、軽油引取税の暫定税率を来年4月1日に廃止することで合意した。廃止に伴う代替財源については、法人向けの租税特別措置(租特)の縮小や、高所得者の税負担の強化などを検討し、年末にかけての税制改正プロセスで結論を出すとしている。道路などの維持管理や老朽化対策に影響が出ないよう、今後1年程度かけて安定財源の具体策を検討する。