マツダが11月7日に発表した2025年4~9月期の営業損益は538億円のマイナス、純損益は452億円の赤字だった。最終赤字は5年ぶり。26年3月期通期では営業利益500億円、純利益200億円を確保する従来予想を維持した。米国の自動車関税による影響は1655億円となる見込みだが、下期は米国での販売目標の引き上げや値上げなどで反転攻勢を狙い、通期黒字を目指す。

25年4~9月期の世界販売は、同2万1000台減の60万9000台だった。欧州での1万5000台減が主な要因で、米国では関税発動後も20万9000台と、前年同期比2%減にとどまった。営業利益では米国関税が971億円、利益を押し下げた。

通期では、関税率の15%への引き下げが従来想定の8月1日から9月16日となったことで、影響額は103億円上振れし、前年度比では対策込みで1655億円の減益要因となる。これを堅調な販売が見込まれる米国市場で台当たり6~10万円程度値上げし、販売台数目標も1万5000台増の41万5000台に引き上げる。営業利益では世界販売が1300億円規模の増益要因になると見込む。

ジェフリー・エイチ・ガイトン代表取締役専務執行役員CFO(最高財務責任者)は米国での値上げについて「さらに価値を提供し、参入セグメントでの競争力を持った商品とする」と語る。国内生産台数も期初見通しの70万台水準の維持を目指す。

オランダの中国系半導体メーカー・ネクスペリアの出荷停止問題については「将来の展開は誰も予測がつかないが、現時点で(生産への)支障はない。必要であれば代替品が必要か精査している」と説明した。