日産自動車は11月6日、2025年4~9月期決算を発表した。営業損益が276億円の損失、純損益は2219億円の赤字だった。26年3月期通期の純損益の予想は示さなかった。不透明な外部環境のほか、「再建計画を今年度どれくらい実行するか評価しており、損益にも影響を及ぼす」(ジェレミー・パパン執行役最高財務責任者)としている。

25年4~9月は研究開発費用の後ろ倒しなどで、営業赤字は期初想定の1800億円から縮小した。米国の追加関税は1497億円の減益要因となった。

通期見通しでは、世界販売台数は325万台の期初想定を据え置いた。このうち国内販売は前年度比3.3%減の44万5000台とする。営業損益は2750億円の赤字となる見込みで、為替が1150億円、関税が2750億円の減益要因と想定する。自動車事業の負債額は2.1兆円となる見込み。

国内2工場に減産影響を及ぼしているオランダの中国系半導体メーカー・ネクスペリアの供給停止問題では、通期で250億円の影響額を織り込んだ。

イヴァン・エスピノーサ社長は「経営再建計画で上期は800億円以上のコスト改善を果たした。下期の自動車事業のフリーキャッシュフローはプラスになる見通しで、オペレーションの改善や(環境変化への)対策の実行を徹底していく」と語った。