中古車小売りの大手と中小の事業者との間で、販売現場の勢いに差が出ている。上期(1~6月)の中古車登録・届け出台数は前年同期比0.5%減の334万7577台で、依然として商品車の不足が響いた。思い通りに品ぞろえができない中小事業者の業績悪化を招き、倒産や廃業に迫られるところも出ている。一方、新車ディーラーや大手専業者では「中古車の需要は堅調だ」(トヨタ系)との声も少なくなく、実績を伸ばしているところも目立つ。中古車の流通量は回復途上にあるが、いまだ厳しい仕入れ環境が続く。こうした中で、大手との調達力の違いが表れたようだ。
多くのディーラーでは新車販売が上向いていることで、下取りや買い取りの発生量が増加した。今年に入って、こうした傾向が顕著となり、小売り用の品ぞろえに苦戦しなかったディーラーが多かった。この上期を振り返っても、西日本のトヨタ系ディーラーは「小売り台数だけではなく、売り上げベースでも前年を大きく上回っている」という。中古車の基となる下取り車を握っていることで、中古車商戦も有利に進められたもようだ。
同じく中古車の発生源となる買い取りなどに強みを持つ事業者や、資本力を生かした仕入れが行える大手事業者も小売り台数を伸ばしている。ネクステージは2024年12月~25年5月期の販売台数が前年同期比4.7%増の9万2086台となり、同期としては過去最高を更新した。大型店を中心に販売をてこ入れするとともに、在庫管理を徹底したことで効率的に販売増を実現した。「ガリバー」を運営するイドムも25年2月期の直営店の小売り台数が前年比3.1%増の14万9003台だった。同社は今期の見通しも16万台超と10%前後の拡大を見込む。
一方、中小の専業者は、苦戦が続く。大手と比べて保有客が少ないことから、下取りや買い取りが発生しにくい。中古車オークション(AA)で仕入れようにも、相場は高騰。例えば、ユー・エス・エス(USS)の上期の平均成約単価は同2.2%増の118万円だった。ただ、「落札単価の上昇を小売りに転嫁しにくく、利幅を削るしかない」とする事業者が少なくない。
こうした傾向は長く続いており、中小事業者の経営体力を奪っている。実際、帝国データバンクによると、中古車販売店などを含む「自動車・自転車小売関連企業」の上期の倒産件数が、前年の57件から82件に増えた。東京商工リサーチも、上期の中古車販売店の倒産件数が過去10年間で最多のペースで推移したとしている。ある業界関係者は、「大手と中小の差がより大きくなる『二極化』が進むのでは」と懸念している。
(舩山 知彦)