経済産業省は、電気自動車(EV)などの購入費用を補助する「クリーンエネルギー自動車(CEV)補助金制度」において、2025年度分の取り扱いを決めた。補助額を算定する評価項目に、重要鉱物の安定確保に向けた取り組みや、車載電池の安全性などを追加する。また、環境負荷が低い鋼材(グリーンスチール)の導入状況に応じ、補助金を最大5万円加算する措置を設ける。4月1日以降の登録・届け出車に適用する。
経産省は、24年度分からCEV補助制度を大幅に見直した。車両の環境性能だけでなく、充電インフラやアフターサービス体制、サイバーセキュリティーなどに関する「企業の取り組み」と、電費・航続距離などの「車両性能」をそれぞれ評価。全項目を200点満点で評価し、合計点に応じて補助額を決めている。
25年度分も同じ枠組みを用いる。既存の評価項目に加え、新たに(1)重要鉱物の安定確保に係るリスク低減のための取り組み、(2)調達先に対する費用の支払い期間、(3)車両や蓄電池の火災発生状況、の3つを追加する。企業に対し、電池の安全確保や健全なサプライチェーン(供給網)構築に向けた取り組みを求める考えだ。
これらの取り組みに応じ、補助金を手当てする。補助額の上限額は現行制度から変更しない。EVは85万円、軽EVとプラグインハイブリッド車(PHV)は55万円、燃料電池車(FCV)は255万円とした。
グリーンスチールなど環境負荷が低い鋼材の導入状況に応じ、補助額とは別で、最大で5万円を追加で補助する。企業の脱炭素の取り組みを評価することで、グリーントランスフォーメーション(GX)を推進する考えだ。
24年度の補正予算では、CEV補助金の財源として1100億円を確保した。今後、各自動車メーカーから申請を募り、内容を精査した上で、3月中旬以降に新しい補助額を決めて公表する。