日本ガイシは25日、独自の赤外線技術を応用し、4月から医薬品開発向けに有機化合物の結晶探索サービス事業を始めると発表した。有機化合物に特定の波長の赤外線を照射し、分子間の結合を制御することで、従来は発見が難しかった結晶形を探索する。赤外線を用いた結晶探索サービスは世界初という。医薬品開発の効率化に貢献し、2030年度に30億円の売上高を目指す。

 医薬品は、同じ化合物であっても結晶構造の違いが体内への吸収率や保存期間などに影響する。そのため創薬では、数ある結晶形の中から最適な結晶形を探索することが重要だという。同社は、長年培ったセラミック焼成技術などにより、赤外線に関する膨大な知見を持ち、選択した波長の赤外線のみを照射できる波長制御技術を持つ。

 人工知能(AI)を用いた独自の予測ソフトも開発しており、25年度に実用化する予定だ。独自技術で医薬品開発への貢献を目指す。