2024年は、高度な先進運転支援や自動運転システムへの対応が本格化していく。特定整備制度の経過措置が終了し、車検でOBD(車載式故障診断装置)検査が始まる。電子制御装置の電子的な検査で、それに対応する整備も増加するとみられる。加えて、電気自動車(EV)の普及もようやく見えつつあり、新旧のパワートレインと先進技術の双方への対処が求められる次のステージに入る。

 地域の整備工場同士が得意分野を補完する「地域連携」も本格化する。電子制御装置整備の認証を取得しない事業者がいるほか、取得しても1社だけで高度化する自動車技術とすべての自動車メーカーに対応するのは、スキルや設備の両面で難しい。地域の整備工場全体で、得意とする領域で助け合い、補完し合うことで、顧客の車両の安心と安全を守る体制の構築を目指す。

 板金塗装では〝ビッグモーター問題〟による風評被害を払しょくするための、コンプライアンス(法令順守)の強化が求められる。国土交通省は業界団体と連携し、透明性の確保に向けた具体策を詰めていく考え。新素材や電子制御装置、EVなど技術の高度化に対応するとともに、事業運営の土台となる順法意識をさらに醸成していく年となりそうだ。