2024年の新車市場は、シェア拡大が続いているSUVの伸びが全体の成長を左右しそうだ。近年、各銘柄でSUVを相次いで発売。その結果、登録車の乗用車販売のうち、3台に1台がSUVとなっている。その人気は衰えておらず、24年も新型車の投入が続くとみられる。SUVの勢いがさらに加速すれば、新車全体の需要活性化にもつながる可能性がある。
ホンダは今春、小型の「WR―V」を発売する。狭い道が多い日本に適した車体サイズとしたほか、エントリー価格を200万円台前半と手ごろな価格を設定する予定。マツダは上級モデル「CX―8」の事実上の後継車となる「CX―80」を年内に発売する見込みだ。商品競争力を高め、高所得者層の需要を狙う。トヨタ自動車もステーションワゴンとSUVを融合した「クラウンエステート」を3月までに発売する計画だ。
日本自動車販売協会連合会(自販連、金子直幹会長)によると、22年の乗用車に占めるSUV比率は29・5%だった。23年は1~11月時点で33・0%に伸びており、SUV人気の勢いを裏付ける。
一方、足元では物価高に伴う車両価格の引き上げが続き、24年は新車需要の低下が懸念される。SUVで需要を喚起できれば、他の登録車や軽自動車への波及効果も見込める。今年も新型車の動向に関心が集まりそうだ。