2024年の中古車市場は、なかなか払しょくできずにいたコロナ禍の影響から脱却できそうだ。新車供給の平常化、下取り車の流通量の増加が主因だ。相場形成の下支えとなっている輸出についても、ロシア向けを除き、あらゆる仕向け先の需要は旺盛だ。中古車オークション(AA)は、昨年来の出品台数の多い状態がしばらく続きそうな状況。一方、懸念材料は、為替の変動だ。さらに、消費財すべての高騰で一層ユーザーの財布の紐が締まることの2点が挙げられる。
昨夏以降、中古車販売の現場は〝ビッグモーター問題〟でユーザーからの信頼が大きく傷ついた。この問題が顕在化する前から準備を進めてきた、支払総額表示のルール化が挽回のための切り札で、早期に効果が求められる事態となっている。
また、中小の中古車販売店が苦境にあえいでいる様子を耳にする機会も増えている。業界に対し、不信感を抱くユーザーはメーカー直系のディーラーをよりどころとしているのが原因。販売、買い取りに限定した商売をしているために、生涯の顧客としての関係性が薄い事業者にとって、なすすべがないというのが実情だ。トータルカーサポートを旗印に掲げる事業者の出現も、今後の大きな流れになりそうだ。