TGRのハイパーカークラスの車両
富士通は、FIA世界耐久選手権レース(WEC)の「ハイパーカー」クラスに参戦するトヨタガズーレーシング(TGR)のレース戦略を、人工知能(AI)を使って分析する映像データプログラムの開発を支援したと発表した。レース車両に装備したカメラから取得した映像データを基に、レース状況に応じて柔軟に戦略を見直すことが可能になる。
映像データ分析プログラムは、車載カメラの映像データをリアルタイムに分析して車両周辺の状況を可視化する。夜間や悪天候の場合でも映像を正確に分析できるようAIの設定パラメーターの最適化を図った。耐久レースであるWEC向けに瞬時にレース戦略へ活用することが可能になるとしている。
TGRは4月にベルギーで開催された「スパ・フランコルシャン6時間レース」から新しい映像データ分析プログラムを適用を開始した。
富士通は、今回のプログラム開発支援を通じて得た技術やノウハウを、走行中の車両周辺の物体を識別する技術に生かして、自動運転技術の開発や、歩行中や横断中の人の認識率を向上する技術につなげる。