日野自動車は1月31日、型式指定を再申請していた大型トラック「プロフィア」について、国土交通省から同日付で型式指定の認可を受けたと発表した。2月中旬から出荷を再開する。2021年度の販売実績ベースで4分の3程度の車種が出荷できるようになる。排出ガス規制を満たしていないエンジンを搭載した車種の再申請までにはまだ時間がかかるが、主力車種の出荷再開で、国内販売の立て直しに向けた一歩を踏み出す。

 型式指定の認可を受けたのは「A09Cエンジン」を搭載した排気量9.0リットルのプロフィアだ。排ガスの規制値は満たしていたものの、燃費性能試験で燃料流量計を不正操作して燃費性能を虚偽記載したことにより、国交省から型式を取り消されていた。日野がエンジンの認証不正で型式指定の取り消し処分を受けた車種やエンジンのうち、型式指定の認可を受けられたのは今回が初めて。

 同車種の2021年度の販売台数は約9300台。国内販売全体の15%にあたり、出荷できる車種の割合は、現在の60%から75%程度に高まる見通しだ。日野は同日、同じエンジンを搭載した大型観光バス「セレガ」の型式指定も27日に再申請したと発表しており、大型バスの出荷再開に向けた準備も進める。

 国内販売の回復に向けて前進した日野だが「E13C/尿素SCR」を搭載したプロフィアや「A05C/HC―SCR」を搭載した中型トラック「レンジャー」の出荷再開はなお時間がかかる。一般的に7~9カ月かかる「劣化耐久試験」はこれから始まる見通しで、再申請にこぎつけるのは早くても年央から年後半になるとみられる。