日野自動車は18日、型式指定の取消処分を受けた対象機種・車種のうち、大型エンジン「A09C」を搭載する大型トラック「プロフィア」について、同日付で国土交通省に型式指定を再申請したと発表した。今後、燃費試験への立ち合いを含めた国交省の審査を経て、問題がなければ認可される見通しだ。

 A09Cは、燃費性能が諸元値と乖離(かいり)し、認証試験でも不正があった。ただ、排出ガス規制値の超過はなかったため、今回は改良などをせず、本来の性能値で再申請した。同型エンジンを搭載する観光バス「セレガ」も準備が整いしだい、再申請する。

 一方、排出ガス性能で規制値を超過した大型エンジン「E13C」と、中型エンジン「A05C/HC―SCR」については現在、基準適合に向けて改良を進めている。適合のメドがつけば「劣化耐久試験」に移り、終了後に再申請する流れとなる。劣化耐久試験は大型エンジンで9カ月、中型エンジンで7カ月程度かかるとされ、再申請には少なくても7~9カ月以上はかかる見通しだ。

 日野自は再申請に際し、人員の拡充や規則類の整備、正確な法令解釈の共有、デジタル化によるヒューマンエラー防止などにも取り組む。広報担当者は「今回、再申請を受け付けていただいたが、再発防止がしっかりできていることが大前提だ。引き続き、徹底して進める」とコメントした。