コースター(写真は旧モデル)

 トヨタ自動車は21日、生産・販売を停止していた小型バス「コースター」を2023年3月に販売を再開すると発表した。コースターはモデル切り替えで新規出荷を止めていたが、搭載していた日野自動車製ディーゼルエンジンで燃費不正が発覚したため改良モデルの投入が遅れていた。今回、トヨタ製のディーゼルエンジン「1GD」に切り替え、販売を再開する。

 具体的な商品情報や価格については発売時期が近づいてから発表する。コースターに新たに搭載する1GDエンジンの排気量は2.8リットルで、SUV「ランドクルーザープラド」や小型キャブオーバーバン「ハイエース」などが採用している。

 一方、これまでコースターが採用していた日野製エンジン「N04C(尿素SCRシステム搭載)」は、実際の燃費性能が諸元値を満たしていないことが判明している。トヨタは「必要な燃費改良のめどが立たない状況であり、同エンジンの搭載を断念せざるを得ないと判断した」としている。

 コースターはトヨタ車体傘下の岐阜車体工業(岐阜県各務原市)で生産しており、日野向けに「リエッセII」としてOEM(相手先ブランドによる生産)供給している。日野も同日、リエッセIIをトヨタ製エンジンに切り替えて販売再開すると発表した。