川崎重工業のモーターサイクル&エンジン事業を分社化したカワサキモータースは6日、2035年までに先進国向け主要な二輪車の全てを電動バイクにする計画を発表した。電動化に向けてハイブリッド車と電気二輪車を25年までに合計10機種以上投入する。バッテリーバイクの適用が困難な大型バイクには合成燃料やバイオ燃料も活用し、二輪車のカーボンニュートラル化を本格化する。
分社化に伴う事業方針説明会で明らかにした。同事業の売上高は今期が4100億円だが、30年に売上高1兆円、営業利益率8・0%を目指す。二輪車に加え、北米市場で需要が拡大しているオフロード四輪車の電動化も推進するとともに、米国とメキシコで生産能力を増強するなどして事業拡大を図る。
二輪車では、電動化対応のほか、コネクテッド機能や先進安全技術の進化も推進する。コネクテッドでは同日、車両やクラウドと連携するスマートフォン用アプリを開発したと発表した。
また、19年に資本提携したイタリアの二輪車メーカーのビモータとの協業も加速し、日本市場でも連携事業を展開していく方針。
カワサキモータースの伊藤浩社長は「(分社化は)悲願だった。素早い意思決定ができるようになる」と述べ、需要の変化が早いコンシューマー向け事業で、経営判断を迅速化し、顧客のニーズに対応することで事業拡大を図る方針を示した。