川崎重工業は2日、二輪車や四輪オフロード車、汎用エンジンを手がける「モーターサイクル&エンジン事業」を分社化すると発表した。2021年10月をめどに分社化する。二輪車部門は足元で経営状況が悪化しており、顧客層の高齢化や環境規制対応などの業界共通の課題を抱える。分社化により、迅速に意思決定できる体制をつくり、業界内での連携加速につなげる。

 2日に発表した中長期計画「グループビジョン2030」に盛り込んだ。モーターサイクル&エンジンのほか、鉄道車両事業を分社化するとともに、船舶事業とエネルギー事業を統合する。都内で中長期計画の説明会を開いた橋本康彦社長は二輪車の分社化について「業界として横のつながりを深めて機動的に動かないと利益を出しにくい環境に変わった」と理由を説明。新会社の社長に川崎重工業の役員も兼務させる方針で、本体と対等な関係で二輪車部門の成長を目指す考えを示した。