ホンダ、ヤマハ発動機、スズキ、川崎重工業の二輪車メーカー4社は26日、電動二輪車用着脱式バッテリーの相互利用を可能にする標準化に合意したと発表した。サイズや通信プロトコル、試験方法などを標準化し、各社が商品化を検討する着脱式バッテリーに適用する。今後は国際標準化に向けた取り組みも進める。
着脱式バッテリーは、充電ステーションに設置した充電済みバッテリーと残容量が少なくなったバッテリーを交換することで充電時間を短縮できるメリットのある電池。四輪車と比べて二輪車は積載スペースや重量に制限があって大容量の電池を搭載しにくい二輪車の電動化に適しており、4社は2019年以降に標準化に向けた検討を進めてきた。
4社の検討も基に自動車技術会規格(JASO)でテクニカルペーパー「TP21003」を発行。今回このテクニカルペーパーに準拠する標準仕様について4社で合意した。
標準仕様はホンダがすでに実用化している着脱式バッテリー「モバイルパワーパック」とは異なる仕様を採用した。「各社のバッテリーに対する考え方の違いや安全基準などで4社の意見を集約した」(ヤマハ発動機)という。ホンダは「当社の製品よりも少し小さい」と、サイズが異なるため、標準仕様の製品が普及した際には、従来のモバイルパワーパックユーザーはアダプターがなければ使用できなくなる見通しだ。標準仕様は、原動機付き自転車第1種と第2種相当の電動バイクに搭載するバッテリーへの適用を想定している。
ホンダとヤマハ発動機は、KTM、ピアッジオと欧州でも標準化に向けた検討を開始すると発表している。今後は日本での商品化とともに、国際標準化に向けた取り組みを進める。