川崎重工業は5日、長野県伊那市の委託を受けて無人VTOL(垂直離着陸)機で、中央アルプスと南アルプスの山荘に物資を輸送するプロジェクトに参画すると発表した。川崎重工は開発中の無人機「K─レーサー」を提供する。

 プロジェクトは長距離かつ大きな標高差を安定して飛行できる川崎重工が開発しているK─レーサーを使って中央アルプスと南アルプスにある山荘に物資を輸送する。物資を輸送するための固定空路を設定する方針で、関係当局などと調整する。

 アウトドアブームによる山小屋の利用者増加で、物資の輸送需要が増加している。現在、山小屋への物資輸送はヘリコプターで行っているケースが多いものの、パイロット不足で増加する輸送需要に対応できなくなっているケースもあることから、無人機による輸送の実現を目指す。汎用性と拡張性を確保し、全国に水平展開する。

 K─レーサーはレシプロエンジンを搭載し、無人地帯を目視外飛行できる。航続距離は100キロメートル以上、標高耐性が3100メートルで、100キログラム以上の物資を輸送できる。

 プロジェクトはKDDI、ゼンリンも参画する。